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飛びのったら行き先ちがう
愛が暴走中、爆弾は投下された。
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フラレミ。
鬼畜なふらんちゃんがいるよ。というか一歩手前だよ。そして手抜き。
タイトルの「やさしい」は優しいでも易しいでも。ちょっとした言葉遊びです。
 

 じんわり広がった頬の痛みを押し込むように、そこに手を添えた。
 荒い息遣いが聞こえる。わたしではなく、目の前の、お姉様。視線を一足早くお姉様に戻すと、彼女は平手打ちの構えのまま、驚いた顔と泣きそうな顔をしていた。打たれた勢いで逸らされていた顔を彼女に向けると、涙を堪えた瞳で睨み付けてくる。
「ッ、…は、っ、はっ……!」
 何か言おうとして、息が詰まって、言えなくて、お姉様は一層強くわたしを睨み付ける。その紅い視線を一瞥で受け取り、彼女のくしゃくしゃになった服とその隙間から見える白い肌を見つめた。
 赤黒い点が、いくつも散っている。
「ははは…ごめんねお姉様、いきなり」
 吃驚したよね。そう付け加えたら、ぴくりとお姉様が震えた。それから連鎖反応のように震えが全身へまわる。睨み付けていた瞳は今や恐怖に染まっていて、わたしのなかの心をじりじり焦がす。
 三歩ほど空いていた距離を詰めるとお姉様は人間の子供のように酷く怯えた様子で後ずさった。尚も詰めるとその分必死にお姉様も空けたけど、やがて壁によって不可能になる。こつんと小さな背中が大きな壁にぶつかり、絶望と恐怖が迫っていく。
 わたしはにっこりとした笑顔を浮かべ、小さな小さなかわいい子供となった姉を見る。
「これ、いたかったよ」
 少し赤くなりつつある頬に手を添え、軽い圧力と恐怖をかける。尤も今のお姉様にとっては重い、のだけれど。
 びくりと大袈裟に姉の方が跳ねた。
 非常に愉快だった。先程までわたしを睨んでいた吸血鬼が、小さく非力な子供へと変わり果てたのが。自然に口許がひきつる。心がじりじり焦げていく。
「お返しに、すっごく痛くしてあげるね」
 焦げきって、中身が溢れた。







何この鬼畜なふらんちゃん。
このあとはどうみても強姦です、本当にありがとうございました。
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