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飛びのったら行き先ちがう
愛が暴走中、爆弾は投下された。
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今回は天子と衣玖のはなし。
寿命って思うと哀しいですよね。


「死ぬの?」
「死にます」
彼女は天人でもなければ天女でもない、ただのしがない竜宮の使いだ。ならば当然寿命があるのは仕方がないこと。死があるから生があり、生があるから死がある。自分とは、違う。
「...そっか、死ぬのね」
不思議とその事を受け入れてしまう。悲しい訳じゃ、ないのだけれど。
きっとどこかで覚悟をしていたのだろう。所詮天人は置いていかれる側なのだから。
「ねえ、今のきもちってどんな感じ?やっぱり怖いの?」
すると彼女はとても哀しそうな顔を浮かべた。ぎょっとして、焦る。これは禁句だったのだろうか。
「よく、わからないです。まるで感情が消えてしまったみたいで、なにも思うことができず、なにも感じることができないのです」
その表情はなんだ、と思ったけれど言わないでおいた。なんだか言ってしまったら彼女がぐちゃぐちゃになってしまいそうだったから。
そう、なんだ。そう曖昧にこぼして、わたしは空を見る。相変わらずなにもない空だった。
「ねえ、衣―――...」
そうして、なにもないそらに彼女はなにごともなかったように消えた。








衣玖さんに寿命はあるのだろうか、いやあるだろうと言う妄想の結果。彼女はあくまで竜宮の使いですから、あるんじゃないかなぁと私は思っています。
かわって天子は天人くずれではありますが一応は天人な訳でありますゆえ、不老不死と考えてます。だから置いていかれる側。
思うに、不老不死でも、精神面には必ず寿命があるんじゃないかなぁ。肉体と精神の年齢は比例しない。
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